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005.『惜別の名鉄600V線区』(旅行日2005/03/29)

780形徹明町停留所付近撮影 新関駅駅舎 800形下芥見駅撮影

 3月29日。アルバイトの休みとなった日に、残りあと3日という廃止まであと僅かとなった岐阜600V線区(岐阜市内線・揖斐線・美濃町線・田神線)の乗りつぶしへ出かけました。

<犬山→名鉄岐阜>
 犬山駅へ10時過ぎに到着。まずは名鉄岐阜駅へ移動となる。
 10時11分発 普通 名鉄岐阜行き 6両編成(6051)(写真は名鉄岐阜駅で撮影)に乗車。
 平日の日中としてはそこそこの乗車率。車内には日本モンキーパークへ向かう家族連れの姿も。
 駅間距離の短い区間があったり、4両分しかホームが無い駅では後ろ2両のドアが開かなかったり。名鉄各務原線は全線複線で街なかを走ってはいるが、これは隠れざるローカル線と言えよう。
 うつらうつらとしながら、終点名鉄岐阜駅に到着。

 ここで『600V線区フリーきっぷ(1600円)』を購入。本日の乗車準備が整う。
 乗車前に、岐阜駅前の整備工事に伴って休止中となっている岐阜駅前停留所の現状を見に行く。
 線路ないじゃん・・・。そりゃぁ休止中にして工事してますからね。でもここに線路が再び敷かれることは無いんでしょうね・・・。

<新岐阜駅前→黒野>
 再び名鉄岐阜駅に戻り、新岐阜駅前停留所へ向かう。僅か2ヶ月とはいえ名鉄岐阜駅前と改称しないのはあまりにも・・・。
 11時09分発 急行 黒野行き 2両編成(776)に乗車。発車時間が迫るにつれて席に座れなくなるお客さんも。100%前後の乗車率で発車。
 やはり併用軌道ではなかなか速度が上がらない。しかも岐阜市では『軌道敷内の自動車等の通行可』となっており、自動車に翻弄されながらの運転となってしまう。
 アメリカ軍が設計したとされる忠節橋を渡り忠節駅へ。  ここから専用軌道となり、駅ホームも鉄道線並みの高さとなる。このため階段状のステップは使わず、車両とホームの間を埋める別のステップを引き出して走ることになる。
 揖斐線に入り住宅街を縫うようにして走る。美濃北方駅を過ぎると畑が目立つようになってくる。下方駅手前で根尾川を渡り、終点が近づいてくる。  終点黒野駅に到着。かなりのお客さんが乗り通したようである。
 レトロな雰囲気の漂う駅舎ホーム。駅構内にはバラスト散布用のホッパ車、駅前には谷汲線代替バスの姿も。

<黒野→忠節>
 12時15分発 急行 新岐阜駅前行き 1両編成(787)に乗車。座席が埋まるくらいの状態で発車。改めて見ると沿線のカメラの数に驚く。やはり名鉄600V線区は絵になるのだろう。
 忠節駅で下車。

 2002年に駅ビル解体に伴う改装工事を行い、きれいになった忠節駅だが3年も経たない内に廃止になってしまうとは・・・。
 ここから徒歩で移動する。途中、専用軌道と併用軌道の境目も眺めながら、早田停留所に到着。  早田停留所は道路上の一部分が安全地帯として緑色に塗られているだけで、安全性は自動車の運転にかかっています。
 運転手が停留所を見落とせば、電車から降りたところで車と交通事故・・・という事にもなってしまいます。
 そんな岐阜の路面電車としては"当たり前"の光景を歩道から眺めてみましたが、やはり危険ですね。これでは路面電車を利用しようにも利用できませんね・・・。
 しっかりとした停留所が建設されなかったことが残念でなりません・・・。

<早田→徹明町>
 気を取り直して早田停留所から13時11分発 普通 新岐阜駅前行き 1両編成(783)(写真は徹明町停留所で撮影)に乗車。
 車内は僅かな空席と若干に立っているお客さんがいるという状態。
 信号に進路を阻まれながら市内線を進む。
 美濃町線へ乗り換えるために徹明町停留場で下車。なお同停留所は市内線唯一の駅舎のある所でもある。

<徹明町→野一色→関>
 ここから美濃町線を進むことになる。美濃町線は徹明町停留所と関駅を結んでおり、次の梅林駅までの0.9kmは僅かながら複線になっている。
 12時49分発 普通 野一色行き 1両編成(591)に乗車。
 車内はほぼ座席が埋まり、立ち客は運転席の後ろ部分に少しといった所。
 市内線ほどは道路は混雑していないので、比較的スムーズな運転である。古い車両らしいモーターの唸りが心地良い。
 競輪場前停留所で田神線と合流し、名鉄岐阜発の関行きの後続となり続行運転となる。ここから先発車両の先頭には黄色地に赤丸の"続行標"を掲出することになる。
 先行車両の背中を見ながらの走行は普通の鉄道では味わえないもので、なかなか感慨深い。
 終点野一色駅に到着。同一ホームに2両が縦列停車し、乗り換え客の便を図る。

 ここから13時07分発 普通 関行き 1両編成(802)に乗り換える。
 1両編成の新鋭車800系は乗り換え客でごった返し、車内は通勤電車並みである。ラッシュに乗り慣れていない人も多いようで、特に子どもには大変なことだったろう。
 途中、小屋名駅で[小屋名駅〜関駅間]の"タブレット"が反対列車に無く、5分以上停まることに。しばらくしてから新関駅職員と思われる人が軽四ミニバンで届けに来るというハプニングも起こる。

 上芥見駅や津保川鉄橋などタイムスリップしたような風景も楽しみながら、終点関駅へ。
 ここは長良川鉄道との接続駅でもあり、同鉄道とは美濃町線の新関駅〜美濃駅間が廃止になった際に、新関駅から若干の延伸を加えてから同駅でホームタッチするようになった。
 長良川鉄道の保守基地待合室も見ることが出来る。

 徒歩で新関駅へ移動する。途中道路を線路が横切る地点があるが、昔はこの写真の左側へ線路が延びていた。
 駅間距離が300m程だけなので、すぐに新関駅へ到着する。
 この新関駅は美濃町線の中で唯一の有人駅で、鉄道グッズの販売も行われていた。

<新関→下芥見>
 ここから15時16分発 普通 名鉄岐阜駅行き 1両編成(801)(写真は下芥見駅で撮影)に乗車。車内は座席が埋まる程度であった。
 この車両"800系"は2001年のローレル賞受賞車であり、トップナンバーである801車には記念プレートが貼り付けられていた。
 下芥見駅で下車。

 この下芥見駅では列車の交換(行き違い)も行われ、同駅を境に南(名鉄岐阜駅方面)は特殊自動閉塞方式による信号制御、北(関駅方面)はタブレットを使った昔ながらの運行制御が行われている。
 かなり古びた駅舎が歴史を感じさせる。構内には制限速度5km/h(!!)のポイントも。

<下芥見→日野橋>
 15時52分発 普通 名鉄岐阜駅行き 2両編成(881)に乗車。車内は2両編成ということもあってか、いくらか空席がある状態だった。
 夕日の中をのどかに走り、自然と眠くなってくる。
 日野橋駅で下車。

 この日野橋駅は朝夕のラッシュ時には徹明町停留所からの列車も運転され、同駅までは15分ヘッドの運転となっている。
 そしてうまくいけば、3つの列車が集まる光景も見られる。
 一旦近くのスーパーでパンを購入し、かなり遅い昼食をとる。
 道路の横を走ってくる列車はやはり絵になる。また3つの列車が一度に集まる光景には迫力がある。
 しばらく歩道橋から眺め、いよいよ帰路につく。

<日野橋→名鉄岐阜>
 16時30分発 普通 名鉄岐阜駅行き 2両編成(883)(写真は名鉄岐阜駅で撮影)に乗車。
 だんだんと乗客が増えていく中を、列車はやはりのどかに走っていく。ほんとに時間がゆっくりと流れている感じだ。
 終点名鉄岐阜駅に到着。
 600V線区は他の路線とは改札が別になっており、名古屋方面などへ乗り換えるには中間改札口を通る必要がある。だが、この施設もまもなく使用されなくなるのだろう・・・。

<名鉄岐阜→犬山>
 17時15分発 普通 内海行き 6両編成(7013)に乗車。
 なんとパノラマカーであった。ただこの編成はドア付近の混雑緩和のため、一部の座席が撤去されているタイプで、少し味気ない雰囲気であった。
 うつらうつらとしながら、夕日から夜へと変わりゆく車窓を眺めながら、犬山駅で下車。
 終始ゆったりとし、穏やかな気分に浸れた小旅行であった。


〜旅行後記〜
 こんなにも穏やかでゆったりとした路線が廃止されてしまうのは非常に残念だ。何より、せっかくの新しい都市交通へと転換でき得る路面電車を廃止してしまうのはとても勿体ない。
 行政や県警の良好的な支援の少ない状態で、よくぞここまで存続できたとも言えるし、それだけ注目されなかったとも言えるだろう。
 これまで電車を走らせ続けた名鉄にエールを送ると共に、またいつの日か岐阜に電車が走る風景を見られる事を、願ってやまない。